脳タイムの将棋はLv1からLv50までの50段階から対戦相手を選べますが、50個も並んでいると最初のひとつが決まりません。しかも強さは一定の割合では上がっていません。レベルによって変わるのは「何手先まで読むか」「読まずに指す確率」「1手にかける時間」の3つで、このうち上2つは特定のレベルで段になって切り替わります。この記事では、その段の位置を具体的な数字で示し、どこから始めてどう上げていくかを整理します。戦法の解説ではなく、対戦相手の選び方の話です。
レベルで変わるのは3つだけ
まず全体像です。Lv1〜5は会員登録なしで対局できる無料帯、Lv6〜40はテオワンIDでログインすると開放される帯、Lv41〜50はためたポイントで開放する最上位帯です。この50段階で変わるのは次の3つです。
変化1: 読みの深さは4段階しかない
AIが何手先まで読むかは、レベルに比例して増えるのではなく、次の4つの帯に分かれています。ここでいう手数は読みの本線の長さです。本線が終わったあとも駒の取り合いだけは決着するまで読み切るので、取り合いが続く局面では表の手数より深く読まれます。
- Lv1〜Lv15: 本線を1手先まで読む
- Lv16〜Lv30: 本線を2手先まで読む
- Lv31〜Lv45: 本線を3手先まで読む
- Lv46〜Lv50: 本線を4手先まで読む
つまりLv1とLv15は読みの深さが同じです。Lv14からLv15へ上げても読む手数は変わらず、Lv15からLv16へ上げた瞬間に1手ぶん深くなります。段の位置はLv15とLv16の間、Lv30とLv31の間、Lv45とLv46の間の3か所だけです。
変化2: 低いレベルは「読まずに指す」確率で弱くしている
では同じ深さの帯の中では何が変わるのかというと、読みを使わずに指す確率です。AIは手番ごとに抽選をして、 当たった手番は探索をまったく行わず打てる手の中から無作為に1つ選びます。この確率がレベルとともに下がっていきます。
- Lv1: 約60%
- Lv8: 約35%
- Lv15: 約10%
- Lv16: 約8%
- Lv28: 約4.25%
- Lv40: 約0.5%
- Lv41: 0% (必ず読んで指す)
- Lv50: 0% (必ず読んで指す)
Lv1では6割の手番が無作為です。読みの深さは1手しかないので、Lv1〜15はいわば「浅く読み、しばしば見当違いの手を指す」帯ということになります。ここで勝てるのは強くなったからではなく、相手が事故を起こしたからという場面が普通にあります。
そしてLv41でこの確率がちょうど0になります。Lv40では200手番に1回ほど事故が残っていますが、Lv41以降は一度もありません。ポイントで開放する最上位帯は「読みが深い」だけでなく取りこぼしが無い帯だと考えてください。
変化3: 考える時間の上限はレベルに比例して伸びる
3つめは1手にかける時間の上限です。こちらは段ではなく、レベルに比例して伸びます。
- Lv1: 1秒
- Lv50: 12秒
AIは浅い読みから順に深めていき、上限に達したところで打ち切ります。このとき読みかけの深さの結果は捨てて、最後まで読み切れた深さでの最善手を指します。つまり上限に引っかかったレベルは、表に書いた手数より浅い読みで指していることになります。高いレベルで待たされるのは処理が重いからではなく、持ち時間そのものが長く設定されているためです。ここは強さの一部なので、待つ時間が気になる場合もレベルを下げるのが正解になります。
AIが何を数えているかを知ると、狙いどころが分かる
読む深さが1〜2手しかない帯では、AIの判断はほぼその場の局面の点数で決まります。脳タイムの将棋AIが使っている点数は次のとおりです。玉を除く駒の価値はこうなっています。
- 歩: 1
- 香: 3
- 桂: 3
- 銀: 5
- 金: 6
- 角: 8
- 飛: 10
この価値をもとに、盤上の駒は価値の10倍、成っている駒はそこに6を足した点数で数えられます。持ち駒は価値の8倍×枚数です。さらに、盤上の駒は自陣から進んだ段数ぶんだけ1点ずつ加算されます。
ここから2つのことが読み取れます。ひとつは持ち駒が盤上の駒より少し軽いこと(8倍と10倍)です。もうひとつは成りの価値がかなり控えめだということです。成銀は5×10に6を足して56点ですが、金は6×10で60点です。同じマスにあれば前進度の加算は等しいので、AIは成銀を金より低く見ていることになります。
逆に、「王手をかけておけばAIが嫌がる」という読み方は通りません。AIは王手のかかった局面をその場で点数化せず、必ず受けの手を読んでから評価します。低いレベルのAIが得の薄い王手をかけてきたり、明らかな受けを見落としたりするのは点数配分のせいではなく、ひとつ前の節で見た「読まずに指す」抽選に当たった手番だからです。狙いどころは駒の損得の側にあります。
どこから始めて、どう上げるか
以上を踏まえた目安です。
- 駒の動かし方を覚えたところなら Lv1 から。無作為に指す確率が6割あるので、こちらが1手ずつ確かめながら指しても対局が成立します
- ルールをひと通り知っていて勝ち負けを楽しみたいなら Lv3〜5。無料で遊べる範囲の上限です
- Lv1〜5 で安定して勝てるようになったら Lv6 以降へ。ここから Lv15 までは読みの深さが変わらないので、上げても手応えは緩やかに増えます
- Lv16 で読みが2手に、Lv31 で3手になります。ここが手応えの変わり目なので、Lv15 や Lv30 で勝てるようになってから越えるのが安全です
- Lv41 以降は事故がゼロの帯です。読み抜けを突いて勝つ指し方は通じなくなります
上げ幅は3レベルずつをおすすめします。同じ深さの帯の中では無作為に指す確率だけが変わるので、1レベルずつ上げても違いを感じにくく、逆に10レベル以上飛ばすと確率と読みの深さが同時に変わって何が効いたのか分からなくなります。Lv40までなら3レベルで無作為手の確率の差が体感でき、Lv41以降は確率が0で固定なので変わるのは持ち時間だけです。境目をまたぐこと自体は起こりますが、境目どうしが15レベル離れているので、3レベル刻みなら一度に2つ以上の境目を越えることはありません。読みが1手深くなったのかどうかを切り分けて確かめられます。
対局中に読み違えたときは「待った」で1手戻せます。負けそうな局面をそのまま指し切るより、まずかった一手まで戻して指し直す方が、同じレベルの中で得られるものは多くなります。最初から並べ直したいときは「やり直す」を使ってください。
脳タイムの将棋で実践する
脳タイムの将棋は二歩・打ち歩詰め・千日手・成りといった正式ルールに対応していて、反則手はそもそも指せません。ルールの確認そのものが目的なら、レベルを気にせずLv1で盤に触ってみるのがいちばん早いです。Lv1〜5は会員登録なしで対局でき、広告は表示されません。
終盤の詰みだけを鍛えたい場合は、対局より詰将棋を毎日1問続ける練習法の方が効率的です。チェスのAIもLv1からLv50まで選べますが、段の位置も無作為に指す確率も将棋とは別の値です。そちらはチェス初心者ガイドで扱っています。



