ナンプレのポインティングペアとボックスラインの使い方

単独候補と隠れシングルで埋められるマスがなくなると、ナンプレは「マスを確定させる」段階から「候補を消していく」段階に移ります。その最初の武器になるのが、ブロックとライン(行・列)の重なりを使う手筋です。日本語では「ロックされた候補」と呼ばれ、ブロックからラインへ効く向きと、ラインからブロックへ効く向きの2種類があります。仕組みは驚くほど単純で、しかも中級の盤面では非常に高い頻度で現れます。この記事では2つの向きを図解で見比べながら解説していきます。

ロックされた候補とは

ナンプレのブロックは、必ず3つの行と3つの列と重なっています。この重なりのおかげで、ある数字の入る場所がブロックの中の1本のラインだけに閉じ込められているとき、そのラインの残り、あるいはそのブロックの残りから同じ数字を消せます。ある数字が特定の数マスに「予約」された状態、と言い換えると感覚がつかみやすいかもしれません。向きは2つあります。

  • ポインティングペア(ブロック → ライン):あるブロックの中で、その数字が入れるマスが同じ行(または同じ列)だけに並んでいるとき、その行(列)のブロック外から、その数字の候補を消せます。3マス並ぶ場合はポインティングトリプルと呼びます。
  • ボックスライン(ライン → ブロック):ある行(または列)の中で、その数字が入れるマスが1つのブロックの中だけに収まっているとき、そのブロックのライン外から、その数字の候補を消せます。ボックスラインリダクションとも呼ばれます。

この2つはまとめて「ロックされた候補1・2」と表記されることもあります。名前を覚える必要はありませんが、どちらの向きで効いているかは毎回意識しておくと消し先を間違えません。共通しているのは、どちらも数字を確定させず候補だけを減らす点です。減らした結果として単独候補や隠れシングルが生まれ、盤面が動き出します。

向き1:ブロックからラインへ(ポインティングペア)

次の盤面で、中央のブロック(4〜6行目・4〜6列目)の候補7に注目してください。

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2
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9
1468
5
14678
3
1
3
2
7
9
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1
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6
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1
8
6
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145
2
9
8
3
1456
7
9
3
2
中央ブロックの候補7は4列目の2マスだけ。よって4列目の他のマスから7を消せる

中央のブロックには1, 9, 6, 5, 4が入っていて、空きはr4c4, r5c4, r6c4, r6c6の4マスです。このうち7を入れられるのはr4c4とr5c4だけです。r6c4とr6c6に7が入らないのは、6行目にすでに7があるためです(r6c8)。

つまりこのブロックの7は、必ず4列目のどちらかに入ります。ブロックにはどの数字も1つずつ入るので、7が4列目以外に現れることはありません。すると4列目全体で見たとき、7の居場所はすでにこの2マスに押さえられていることになります。

したがって4列目の他のマスに残っている候補7は、すべて消せます。図ではr1c4が{2,4,6,7}から{2,4,6}に、r3c4が{1,4,6,7,8}から{1,4,6,8}に減ります。ブロックの中を見ただけで、ブロックの外の候補が減るところがこの手筋の面白さです。

向き2:ラインからブロックへ(ボックスライン)

同じ盤面で、今度は7行目の候補1を追いかけてみましょう。向きがちょうど逆になります。

8
9
2
9
5
3
1
3
2
7
9
1
9
1
9
6
5
4
6
8
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7
1
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457
6
2
9
145
2
14
9
8
3
1456
7
146
457
9
3
2
7行目の候補1は下中央ブロックの中だけ。よって同じブロックの他のマスから1を消せる

7行目の空きはc2, c4, c6, c7の4マスで、1を入れられるのはr7c4とr7c6だけです。r7c2に1が入らないのは2列目にすでに1があるため(r5c2)、r7c7に入らないのは7列目にすでに1があるため(r1c7)です。

ここでr7c4とr7c6は、どちらも下中央のブロック(7〜9行目・4〜6列目)に属しています。7行目の1は必ずこのブロックの中に入るわけですから、同じブロックの残りのマスに1が入る余地はなくなります。

このブロックの空きはr7c4, r7c6, r9c4, r9c6の4マスなので、消せるのは9行目側の2マスです。r9c4は{1,4,5,6}から{4,5,6}に、r9c6は{1,4,6}から{4,6}に減ります。向き1が「ブロックを見てラインを消す」のに対し、向き2は「ラインを見てブロックを消す」——同じ重なりを反対から使っているだけです。

2つの向きを取り違えないコツ

慣れないうちは、消す先を間違えて盤面を壊してしまうことがあります。次のように整理しておくと安全です。

  • 候補が閉じ込められている範囲が「ブロック」なら、消す先は「ライン(そのブロックの外)」。
  • 候補が閉じ込められている範囲が「ライン」なら、消す先は「ブロック(そのラインの外)」。
  • どちらの向きでも、閉じ込められているマス自身の候補は減りません。減るのは常に、閉じ込めた範囲の外側です。

言い換えると、「どこに必ず入るか」が分かった範囲の外側だけを消すということです。この一文を覚えておけば、向きを迷ったときも判断できます。

探す手順

  1. 単独候補と隠れシングルで埋められるマスを先にすべて埋めておく
  2. 注目する数字を1つ決める
  3. その数字がまだ入っていないブロックを順に見て、候補が同じ行または同じ列だけに並んでいないか確認する(向き1)
  4. 並んでいたら、その行・列のブロック外から候補を消す
  5. 次に行と列を順に見て、その数字の候補が1つのブロックに収まっていないか確認する(向き2)
  6. 収まっていたら、そのブロックのライン外から候補を消す
  7. 候補が減ったら単独候補・隠れシングルの確認に戻る

この手筋は候補が2〜3マスに絞られている数字で成立しやすいので、メモを見て候補の少ない数字から試すと効率が上がります。1つの数字について向き1と向き2の両方を確認する癖をつけておくと、取りこぼしがほとんどなくなります。

次に覚えたい手筋

ロックされた候補まで使い切っても止まる場合は、2つのブロックをまたいで候補の分布を見る手筋に進みます。行と列の対応を使うXウィングが定番で、候補2個のマスをつなぐXYウィングも同じ段階で覚えられます。学ぶ順番は中級で覚える手筋のまとめで確認できます。まだ隠れシングルが身についていない場合は、先にそちらを固めるほうが早く伸びます。

脳タイムのナンプレで実践する

ロックされた候補は、候補をメモしてある盤面ならほぼ目で見つけられます。脳タイムのナンプレは候補をメモとして残せるので、1つの数字に絞って盤面を追う練習に向いています。まずは9×9の易しいレベルで「ブロックの中で候補が1本のラインに並んでいないか」を探すところから始めてみてください。

よくある質問

Q. ポインティングペアとボックスラインは別の手筋ですか?

同じ仕組みを反対向きに使ったもので、まとめてロックされた候補と呼ばれます。ポインティングペアはブロックの中で候補が1本のラインに並んでいる場合、ボックスラインはラインの中で候補が1つのブロックに収まっている場合です。消す先が入れ替わるだけで、根拠はどちらも「その範囲に必ず入る」ことです。

Q. 候補が3マス並んでいる場合も使えますか?

使えます。ブロックの中で候補が同じラインに3マス並んでいる形はポインティングトリプルと呼ばれ、効果はペアと同じです。大事なのはマスの数ではなく、候補がそのライン(またはブロック)から外に出ていないことです。

Q. 候補を消しても数字が確定しません。意味があるのですか?

あります。この手筋は候補を減らすための手筋で、確定させるのは次の一手です。消した結果として単独候補や隠れシングルが現れ、そこから連鎖的に盤面が進むことがよくあります。

Q. どのくらいの難易度から必要になりますか?

単独候補と隠れシングルだけで最後まで解ける盤面では出番がありません。中級以上で手が止まったときに最初に試す手筋として覚えておくと、Xウィングのような上級手筋に頼る前に解ける場面が増えます。

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