ナンプレを続けていると、単純な「候補がひとつしかないマスを埋める」「ブロック内で残り1マスを埋める」といった基本の手筋だけでは、それ以上盤面が進まなくなることがあります。中級から上級へ進むときによく壁になるのが「Xウィング」という手筋です。名前だけ聞くと難しそうに感じますが、仕組み自体はとてもシンプルで、一度理屈が分かれば盤面を見た瞬間に「これはXウィングの形だ」と気づけるようになります。この記事では、Xウィングの考え方を図解付きのステップで、順番に解説していきます。
Xウィングとは
Xウィングは、ある候補数字に注目したときに使える「候補消去」の手筋です。定義は次の通りです。
- 行型Xウィング:ある候補数字が、2つの行それぞれで、同じ2つの列にしか置けない状態になっているとき、その2つの列の他のマス(この4マス以外)からは、その候補数字を消去できる。
- 列型Xウィング(行型の双対):ある候補数字が、2つの列それぞれで、同じ2つの行にしか置けない状態になっているとき、その2つの行の他のマスからは、その候補数字を消去できる。
なぜこれが成り立つのか、少し考えてみましょう。行型の場合、2つの行(たとえば行3と行7)でその数字が入れる場所が列2と列5の2か所に限られているなら、数字は「行3の列2・行7の列5」か「行3の列5・行7の列2」のどちらかの組み合わせで必ず入ります。どちらの組み合わせになったとしても、列2にはその数字が(行3か行7のどちらかに)必ず入り、列5にも同様に必ず入ります。つまり列2と列5では、その数字の置き場所はすでに「行3か行7のどちらか」に確定しているため、他の行のマスにその数字が入る余地はなくなります。これがXウィングで候補を消去できる理由です。
図解で見つけ方をステップ解説
まずは行型の例から見てみましょう。
上の盤面で、候補数字「7」に注目してください。行3を見ると、1〜9のうちすでに確定しているのは2, 9, 6, 4, 1, 8, 3の7つで、残っているのは5と7の2つだけです。この2つの数字が入れるマスは、空いているc2とc5の2マスしかありません。同様に行7でも、確定している数字は8, 3, 1, 9, 6, 2, 4の7つで、残る5と7が入れるのはc2とc5の2マスだけです。
つまり候補「7」は、行3ではc2かc5、行7でもc2かc5のどちらかにしか入りません。組み合わせは「行3-c2かつ行7-c5」または「行3-c5かつ行7-c2」の2通りしかなく、どちらの場合でも列2と列5には、行3か行7のどちらかで必ず7が入ります。したがって、列2・列5の他のマスに候補として残っている7は、すべて消去できます。図のr5c2は候補{3,7,9}でしたが7を消去して{3,9}に、r9c5は候補{4,7}でしたが7を消去することで{4}に確定します。
次に列型の例を見てみましょう。
今度は候補数字「3」に注目します。列3では、確定している数字が9, 6, 1, 8, 4, 2, 7の7つで、残る3と5が入れるマスはr4とr8の2マスだけです。列7でも、確定している数字が5, 8, 2, 1, 6, 9, 4の7つで、残る3と7が入れるのはr4とr8の2マスだけです。
このとき候補「3」は、列3ではr4かr8、列7でもr4かr8にしか入りません。組み合わせは2通りしかなく、いずれの場合も行4と行8のどちらかには必ず3が入ります。したがって行4・行8の他のマス(r4c9やr8c1)にある候補3はすべて消去できます。r4c9は候補{3,6}から3を消去して{6}に確定し、r8c1は候補{2,3,5}から3を消去して{2,5}に絞られます。
行型と列型の違い
行型と列型のXウィングは、見ている軸が違うだけで理屈は完全に同じです。
- 行型:2つの行 → 共通の2つの列 → 消去先はその2列の他のマス
- 列型:2つの列 → 共通の2つの行 → 消去先はその2行の他のマス
探すときは「候補数字を1つ選び、その数字が2マスしか入らない行(または列)」をまず探し、それがもう1つの行(列)と、対応する列(行)の組み合わせが一致するかを確認する、という手順になります。
Xウィングを探すタイミングと手順
Xウィングは、単純な一意確定や「その行・列・ブロックで残り1マス」といった初歩的な手筋だけでは進まなくなったときに使う、中〜上級の手筋です。次の手順で探すとスムーズです。
- 注目する候補数字を1つ決める
- その数字について、各行(または各列)で候補として残っているマスの数を数える
- ちょうど2マスだけ残っている行(列)をリストアップする
- リストの中から、同じ2列(2行)の組み合わせになっているペアを探す
- 見つかったら、その2列(2行)の他のマスからその数字の候補を消去する
- 消去した結果、新たに確定するマスや、別の手筋が使えるようになっていないか確認する
一度に9つの数字すべてを追いかけるのは大変なので、候補の残りマスが少ない数字から順に試すと見つけやすくなります。
似た手筋との違い
Xウィングをさらに拡張した手筋がソードフィッシュです。Xウィングの「2行×2列」を「3行×3列」に拡張したもので、3つの行(列)でその数字の候補が共通の3つの列(行)に収まっているときに使えます。仕組みはXウィングと同じ理屈の延長ですが、確認するマスが増えるため見つけるのはやや難しくなります。まずはXウィングを確実に見つけられるようになってから、ソードフィッシュにステップアップするのがおすすめです。
名前が似ていますが考え方が別系統の手筋としてXYウィングもあります。Xウィングが1つの数字だけを追うのに対し、XYウィングは候補が2個のマスを3つつないで3つの数字を扱います。Xウィングの手前で使う手筋を確認したい場合はポインティングペアとボックスラインへ、全体の順番は中級で覚える手筋のまとめへ進んでください。
脳タイムのナンプレで実践する
理屈が分かったら、実際の盤面で試してみるのが一番の練習になります。脳タイムのナンプレには、候補が複数残っているマスをメモとして書き留めておける機能があるので、候補を整理しながらXウィングの形を探しやすくなっています。上級レベルの盤面に挑戦しながら、この記事のステップを1つずつなぞってみてください。



